【脳のしくみ】
一度にたくさんのことを覚えられる人はいません。
ちょっと難しい話かもしれませんが、「脳の仕組み」を知っておきましょう。
脳はニューロンという神経の集まりです。
『ニューロン』
ニューロンはお互いにつながっていて、何かを考えたり覚えたりするとき
神経の先にあるシナプスから「電気信号」がピッと通ります。
夜、車が次々と道路を走っていくのを想像してみてください。
たくさんのライトの光が行ったり来たりします。
何かを覚えようとするときも、シナプスの中を信号が行ったり来たりします。
ところが、一回だけ見たとか一回だけ書いただけだと、その「信号が弱い」のです。
思い出そうとしても、道路が狭せまいのでなかなか信号が出ません。
なかなか思い出せない・・・・・。
そこで、何回も聞いたり音読したり書いたりするわけです。
反復して、狭い道路を広くしてあげます。
ニューロンに何回も信号を送ってあげます。
すると、思い出しやすくなります。
狭い道路より、太い道路のほうが行きやすいですね。
脳は何でもかんでも記憶するのではありません。
生まれた瞬間のことから今までのすべてのことを覚えることは不可能で、すべてを記憶していても意味がありません。
脳は「大事だ!記憶せよ!」と、何回も反復されたことだけ記憶します。
【勉強の鉄則】
脳は反復されたことを大事だ!と判断して記憶する。
だから、反復しよう!
《忘却曲線》
エビングハウスの忘却曲線です。
せっかく覚えたのに、一日後にはたった 26%しか覚えていないという悲しい現実。
がっくりきすね。
だから、もしきみが「私、忘れっぽいから」と嘆なげいているなら大間違い。
誰でもすぐに忘れるものなのです。
これは脳みその性質なので仕方ない。
しかし、希望は残されています。そう、反復学習です。
上のグラフで覚えたものは「短期記憶」と呼ばれるものです。
短期記憶はトレーニング(反復)によって、長期記憶に変わります。
反復によって忘れ方は緩やかになるのです(永遠に覚えているわけではないけど・・)
【一冊を徹底的にやる理由】
受験前日に、あなたはどんな状態が理想ですか?想像してください。
どうですか? イメージできましたか?
究極の姿は、自信満々でしかも緊張している状態です。
明日は受験で緊張するけれど、やることはやったので充実感もある。
とにかくここまで勉強したことは初めてで、頑張れたことが嬉しい。
そんな状態になってほしい。
では、どうすればそんな気持ちのよい夜を迎えられるでしょうか?
志望校に合格した先輩方のアドバイスで「一冊の問題集を徹底的にやった」というのを
聞いたことがありませんか?
先輩の多くはあれもこれも手を出さずに、問題集を絞ってやっています。
たとえば、Aという問題集をやったとしましょう。
ページ数が多くなく、手軽にできるタイプです。
Aはほとんど解けるようになったとします(できるようになった問題が黒い部分)
この状態でBの問題集を始めます。
Aの問題集ですでにできている部分が多いので、Bの問題集は残りの白い部分だけを集中して解けばいいのです。
ところが、問題集Aが中途半端な状態のまま、問題集Bをやるとどうなるでしょうか。
問題集Bに手をつけてしまうと・・・
空白がかなりあります。
問題集Aでわからなかった部分は、問題集Bでもわかりませんから、
また「わからない」を積み重ねてしまいます。
すると、「何がわからないのか自分でも分からない」状態になってしまいます。
そして、だんだん勉強がイヤになっていくのです。
ですから、学校のワークや受験用の問題集は、その問題集の90パーセントほどが解けるようになったら、次の問題集を加えるか検討してください。
分からない問題が多くなり不安になるなど、精神的マイナスの可能性があります。
まず、一冊を完璧に。
【勉強の鉄則】
これと決めた問題集を徹底的に繰り返す
ただ、一冊で満足してしまってはいけません。1冊が終わったら2冊目・・・いろいろな問題に出会うことも大切です!
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