温かい心をはぐくむ場所

人間がそこで生まれ人間として育つところが家庭です。その家庭も今と昔とはずい分と変化し、家族構成も複合家族から核家族に変わり、それに伴って家庭における子どもの教育も昔とは違ってきています。
 
「家があっても家庭がない」
 
といわれるまでになって来ました。しかし時代が変わり、家族の形態や生活構造が変わっても、変わらないもの、否、変わってはならないのが、家族の団らんで、家庭の心でり、我が家の味だと思います。
 
私が育った家庭にはそのような場所があまりなかったように記憶します。母子家庭だったの、良い思い出はたくさんあります。ただ、家族で団らんなんていうのはあんまり記憶にありません。
 
大学生の時、家庭教師のアルバイトをしていたんですけど、勉強終わりに
「先生、ご飯を食べていってください。」
とお母様から。僕は遠慮はしないタイプなので、ご馳走になることにしました。
 
メニューは【手巻きずし】
 
お父さん、お母さん、生徒、弟。
みんなが笑ってて、楽しそうに食事をしていました。もちろんそこには「テレビ」の存在なんてなく、みんなで食事をすることを楽しいでいました。
途中、「大量わさび入りお寿司はどれだ?」ゲームなんてやっちゃって、一般家庭に、握りずしが出てきたのにはびっくりしましたが、これまた、はずれても当たってもニコニコと楽しい時間を過ごすことができました。
 
そこは家族は家族が集い、冷えた体を温めるばかりでなく、心も温めることができた場所でした。これが【家族団らんか】と初めて感じることができました。
 
生活構造の近代化により、家の構造も和式から洋式化され、「茶の間」はダイニングキッチンヘと変化してきました。
今では、ダイニングキッチンはリビング(居間)を兼用する家庭がおおくなり、構造は変わっても、そこに流れる家庭の味は変わらず持ち続けたいものです。
 
女性にとって、ダイニングキッチンは女性の城であり、生活のとりでです。食事をしたり、楽しくお茶を飲んだり、温かい一家の団らんがなされる場所です。したがって、家庭における教育に、ダイニングキッチンは、重要な役割
を果すと思うので、具体的に考えて見たいと思います。
 
家族に関する問題が起きる度に聞かされるのは、子どもの非行、親子の断絶、離婚、別居、不登校、DV(ドメスティクバイオレンス)、児童虐待、アルコール依存症、薬物使用、引きこもり等です。以前は明るく、温かい、思いやりに満ちた一家団らんの理想的な家庭があったけど、昨今では、子どもは学校から帰るとすく、塾へ行き夜遅く帰るという生活をし、父親は、企業戦士として働き、家庭は寝るだけという人もおり、母親は生きがいを求めて家を空けることもおおくなり、家族間の温かい交流を持つことが難しくなりつつあるの力現実です。人間、一人で生きるのは大変なことですので、家族がお互いに支えあい、助け合って生活する場が必要だと思います。
また、共働きも家庭も多くなっているので、家族間のすれ違いの生活が多くなっているので、それだからこそ、家族の団らんが必要であり、心が通い合う触れ合いが家族の者の心を育んでいくのです。
 
時間は絶対ではありません。短い時間の中にも実のある触れ合いができるようにしたいものです。
 
それでも小学生のうちはまだ母親に依存していますので、家では母親の周りにいる子ども多いようですが、中学生になると、自分の部屋にいる時間が多くなり、各部屋にテレビがあるという豊かな生活が、かえって会話の機会を少な
くしているよです。
 
こんにちの技術の進歩発展はめざましいものでありますが、それに押し流されることなく、情報化社会の波を活用して親子の共通の広場を見出すところが、ダイニングキッチンや、リビングであり、その鍵を握るのがお母さんであって欲しいと思います。
心の美しさ、やさしさは理論で教えることはできません。毎日触れ合う中で心と心の響きあいの中で育てられるのです。
 
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