人間的な適応性を養うこと

親の役割として大切なことのひとつは、人間的な適応性を養うことです。人間生活のあり方や、社会会生活のあり方を身につけさせるため、社会生活に適応できる生活上の習慣を身につけさせることが大切です。
子どもは生まれても、食物を与えられただけでは人間になりません。
人間社会の中で、人間によって人間らしく育てられなければ人間にはなりません。これがいわゆる適応性の問題です。犬や猫でも、家庭で飼育しているものは人間と生活できるように、食事、排泄のことなどもきちんとしつけると、飼い主の生活に適応できるが、野良犬や野良猫は放任されているので、このようには行きません。このことからも解かるように、子どもは放っておいたのでは生活に適応できないので、生活の中で、決まりや秩序をしっかりと身につけさせることが重要です。「しつける」とはこのことをいいます。
しつけるとは、子どもが社会生活に適応できる生活上の習慣を身につけさせることなのです。
 
 
 
(一)立ち居振舞いのしつけ・・・(形)郷に入ったら郷に従う
(二)道義的なしつけ・・・(心)
(1)積極的なしつけ・・・喜んで人のために尽くせる
(2)消極的なしつけ・・・人には迷惑をかけてはいけない。
 
これらはは最小限度しつけなければならないことです。
そのためには、自分が何事にも絶え抜くという困難を克服する体験(我慢する心を育てる)を持たせることが必要なのです。
 
例えば幼児にケーキを与える場合、ケーキが一つしかない場合でも「お母さんと分けて食べましょうね」と分かち合う心、ゆずり会う心を教え、自分の食べたいものは他人も食べたいものと気づかせてあげて、もっと食べたいことを我慢させる力、思いやりを教えることなのです。